sit to stand training

座位・立ち上がり訓練

  1. トップ
  2. シートタイプ
  3. 座位・立ち上がり訓練
写真1 写真2 写真3 写真4

シートタイプの特徴

スペースワンダーシートタイプの特徴としてハンドグリップや足用のアシストハーネスの上にゴムバンドが付いているため、それらが動作の補助または負荷となって様々なエクササイズが可能となっていることです。
またオプションで体幹のハーネスを取り付けることができ、免荷しての立ち上がり訓練や体を上下に動かす繰り返し訓練なども可能となっております。

たとえば下肢のエクササイズでは膝関節軽度屈曲位になるように足を挙上させます。
日頃、長時間座っておられる高齢者の方ですと、足が他動的に挙上されることで、普段は収縮したままの大腿後面が伸ばされ、心地よさを感じる方が多くいらっしゃいます。
またベッドやマットでの長座と違い、下肢の大部分が地面に接していないため、股関節や足関節などの自動での関節可動域訓練が行いやすいのも特徴です。

筋力トレーニングでは軽度屈曲位の膝関節を伸展させることでパテラセッティングのように大腿四頭筋の訓練を行ったり、挙上している足を下に押し下げることで大殿筋やハムストリングスの訓練も可能です。
その他にも股関節周囲筋を中心としたエクササイズがありますが、今回は立ち上がりに関連の深いエクササイズをご紹介したいと思います。

推奨する方法

関節や筋肉への過度な負担を避けるため、またその動作の主要筋を意識するためにもゆっくりと行い、無理のない回数から始め、漸進的に増やしていきましょう。

立ち上がり第1相(屈曲相)

主に作用する筋と役割

  1. 脊柱起立筋による胸椎伸展
  2. 大腿直筋や腸腰筋による股関節屈曲
  3. 前脛骨筋による下腿の前傾

関連するエクササイズ

①体幹の前屈運動

  1. 骨盤を前傾させた状態で座ります。
  2. 胸椎を伸展させたまま、前屈していきます。
  3. ストレッチ効果もありますので、痛みのない範囲で気持ちよく伸ばしましょう。

②ニートゥーチェスト

  • 痛みのない範囲で、膝を胸に近づけるように4秒かけてゆっくり曲げます。
    腸腰筋を意識して行いましょう。
  • このとき足の裏は正面に向くよう意識しましょう。

③足関節の底背屈運動

  • 痛みのない範囲でゆっくりと足関節を底屈・背屈させる運動を繰り返します。
  • 可能な方は片脚ずつ、膝関節を90度屈曲させた肢位でも行ってみましょう。

立ち上がり第2相(離殿相)

離殿相

主に作用する筋と役割

  • 大腿四頭筋による膝の伸展
  • 下腿三頭筋による足関節の底屈
  • 手摺りなどを把持した上肢の補助

関連するエクササイズ

①パテラセッティング

  • 膝関節軽度屈曲位からゆっくりと膝を伸ばしていきます。このとき大腿四頭筋(特に内側広筋)を意識して行いましょう。つま先は上に向けます。
  • 膝を伸ばした状態で、脚を閉じるようにして内転筋群を働かせると更に効果的です。ボールを挟んでもよいでしょう。
※②のエクササイズは前項③をご参照ください。

③プレスダウン

  • 肘を約90度屈曲した肢位でハンドグリップを把持し、ハンドグリップに付いたゴムを伸ばすように下に押します。
  • 腹筋にも力を入れ、呼吸を止めずに5秒程度維持したら、ゆっくりと力を抜きましょう。
  • 手摺りやテーブルを意識して、真下に押す意識で行いましょう。

立ち上がり第3相(伸展相)

主に作用する筋と役割

  • 脊柱起立筋による体幹の伸展
  • 大殿筋による股関節の伸展
  • 大腿四頭筋による膝の伸展
  • 下腿三頭筋による足関節の底屈

関連するエクササイズ

①体幹の前屈運動

  • 第1相でもあった前屈運動で上体を起こすときは、脊柱起立筋を意識してゆっくりと行いましょう。
  • 上体を起こした後も脊柱起立筋の力を抜かず、骨盤前傾を維持しましょう。

②レッグダウン

  • 膝関節軽度屈曲位の状態で片方の踵を床に近づけるようにゆっくりと下に押し下げます。
  • 大殿筋とハムストリングスを意識しながら行いましょう。
※③④のエクササイズは前項までをご参照ください。

体幹ハーネスを装着した立ち上がり訓練

  • 椅子はハーネスの吊り位置の真下よりやや後ろに置きます。
  • 椅子にやや浅めに座ります。
  • 体幹ハーネスにより適度に前上方に引き上げます。
  • 足は肩幅に開き、膝より手前に引きましょう。
  • 背筋を伸ばしたまま、お辞儀をするようにして殿部を浮かせます。
  • 殿部が浮き、足に体重が乗ってきたら、下肢と体幹に力を入れて立ちましょう。
  • 座るときは下肢の力を抜かず4秒かけて座り、無理のない範囲で反復訓練しましょう。

導入に関するご相談やご不明な点がございましたら
お気軽にご相談ください。